村上春樹さん著「国境の南、太陽の西」を読んだので感想を書いてみます。
理由は後述しますが、なかなか胃が痛くなる本だったので読んでてメンタル消費しますね、、ただ、それ以上に考えさせる部分がありました。
この小説について
村上春樹さんの本なので、心理描写や情景描写のテキストは本当に素晴らしいと感る。読んでてその場面の情景がありありと浮かんでくる。これは小説を読んでる上での一番の楽しい部分だと思う。活字を読んでイメージを膨らませる。
そしてこの本のシナリオは「女性関係に振り回される男」を主人公に据えて描かれる。
彼は波長の合う他人に対して「吸引力」を感じることがあり、特に女性に対して「吸引力」を感じた時は、ひどく相手を求めるようになる。この吸引力により過ちを重ねていく。。。といった読んでて胃が痛くなるような小説。
以下ネタバレ含んだ感想
「吸引力」について
僕はこれは人間の脳が起こしている思いこみであると思う。
いわゆる運命の赤い糸で自分に相性のいい人間を選別しているのではなく、自分のことを好きであってほしい、好みの人間に対して発動していると考える。(彼の経営するバーの従業員が特別有能な人材で揃えられて、売り上げも好調という描写があったので、実際人を見る目はあったと思う。)
この本を読んで一番響いたのはこの「吸引力」という概念だ。
人間は感情や、時には思いこみに従って生きている。僕もそれはこれまで生きていた経験から共感できる部分はたくさんある。
小説として俯瞰して物語を読むことで、冷静に行動しているつもりが感情に従って衝動的に行動して状況がどんどん悪化していくさまを感じることができ、読んでいて胃が痛かった。
この本を読んで感じた小説を読むことの意義
小説を読むことは失敗の経験を重ね合わせて体験できることだと思う。通常人間は失敗を重ねてしか経験を糧に重ねることができない。それゆえに自分を含めた周囲に影響を多く与える経験が必要な成長を得るのはえてして難しい。
この本を読んで恋愛関係を進める上で失敗を疑似体験することによって、通常失敗してしか得られない経験を重ねることができた。
(恋愛というものは感情の行動の結果だと思うので、主人公の行動は他人事とは思えなかった。)
おわり
実はこの本は高校生の頃読んだことあって再読だったんですが、当時とは別の感想を抱きました。当時は女性と付き合ったことはなかったし、自分に重ねるような過ちもしていませんでしたが、今読んだら他人事には思えずなかなか考えさせられるものがありました。
このブログで小説の感想を初めて書きました。
物語の感想を書くのは難しいなって思いますね、、。(そもそも趣旨と違うかもしれないので今後どうするかは考えちう( ・∇・)
ではまた。(´∀`)ノシ